4年前に高校の学年同窓会「彩華の会」が開催された。母校は、市川市にある国府台女子学院である。私たちの学年同窓会は、毎回オリンピックの年に開催していて、5回目になる。先生方をお迎えして、懐かしい楽しいひとときを過ごした。

さて、同窓会の終盤までに、次回の幹事が決まる。幹事は、5クラス2名ずつの10名である。私は、その幹事の1人になった。4年後のことを引き受けるということは、誰でも躊躇する。先のことは何があるかわからない。引き受けたが大丈夫だろうかという気持ちにもなる。

帰ってから、そんな気持ちを主人に伝える。すると主人は、やること、目標があるというのはいいことだ。自分のオリンピックだと思えばいいじゃないかという。そう言われると、オリンピックの選手が4年先に向かう気持ちを少し違った意味で味わえるような気がして、楽しみにしてみようかと思うようになる。

まずは、4年後の3月6日に集まることに決まる。そして、気がついたことや次回の同窓会への希望などをまとめ、4年後の打ち合わせで話し合うことを幹事で共有する。

住所変更などがあると、データを書き換えた後、幹事全員に、変更や修正をメールで知らせる。幹事から、自分のできることをやるので、一緒にがんばろうというメールが来る。心強い言葉。みんなが協力し合うためには、情報の共有とコミュニケーションが大切だと思う。幹事の中には、お互い知らなかった人もいる。メールのやり取りをすることで、知り合い、また、その繋がりが広がっていくうれしさを感じた。

月日が経ち、いよいよ、同窓会幹事として動き始める時期が来た。いままでは夏に開催していた時期を、少し涼しくなる秋に開催することにして、日程はお越しいただく先生方のご都合も伺って、10月10日(祝)の12時から、そして開催場所は、御茶ノ水にある東京ガーデンパレスに決まった。

幹事が集まり、何度も打ち合わせを重ねる。みんなが出席して良かったと喜んでくれる会にしたいという目的をもって、みんなの気持ちが一つになる。

ずっと立っているのは辛いという意見が多いので、着席スタイルにして、クラスごとに座ってもらうことにする。先生方からも旧姓をわかりやすくしてほしいとのご希望があり、名札も旧姓を主にして字を大きくし、フルネームは、その下に入れる。

欠席者の近況も葉書のままでは、読みにくいので、少し拡大コピーをして、名前から近況の部分までをカットし、クラスごとに模造紙に貼る。これも、欠席者の近況を少しでも読みやすいようにという配慮から、より良い方法が出てくる。

模造紙の空いているところには、懐かしい卒業アルバムや記念誌から思い出の写真を選び、これも拡大してカラーコピーをして貼った。そして、新校舎についても紹介し、母校の今と昔をみていただく。この3枚の模造紙の作成では、思い出を語りながら、クラスごとにイラストなどを飾り、幹事みんなで手作りを楽しんだ。

ついに第6回の学年同窓会が開催される。89名の出席。同窓生によるすばらしい箏曲演奏から同窓会が始まる。

4人の先生方にもご挨拶をいただく。その中に今年96歳になる先生がいらっしゃる。「凡事貫徹。この世を渡ってきますと、当たり前のことを、当たり前にできることが、どんなに幸せかということを、本当に気付きます。これもある程度まで年をとらないとわからないことで、言葉だけでなく体を通してしみじみと思いますね。」と深いお言葉をいただいた。先生方は、いつも私たちに勇気や元気をくださる。40数年の年月を経ても不思議と変わらない。

先生方がとても喜んでくださったこと、そして同窓生たちが夢中で思い出話をしている姿、学生時代と変わらない笑顔に笑い声、まるでタイムスリップしたかのような楽しい時間と空間は、みんなで作り上げた私たちのオリンピックだ。

また次回、東京オリンピックの学年同窓会を楽しみに待つことにしよう。

同窓会を終えて、幹事をやったことは本当に良かったと思う。私の4年前の目標は達成された。そして、何よりもすてきな仲間ができたのだから。